激変する住宅ローン業界、今年はどうなる?!2007年の5大ポイント
今年注目される5つの事象を、編集部がピックアップしてみました。例年ない大きな変化が起きそうな予感が・・・マイホームの購入を検討している人は見逃せない!
情報提供日:2007年1月10日
1.住宅金融公庫57年の歴史に幕を下ろす
 1950年6月に創設されて以来、マイホームの取得をバックアップする公的融資の代表として活動してきた住宅金融公庫が、2007年3月で廃止され、その57年弱の歴史に幕を下ろします。
 公庫に変わって業務を引き継ぐのが「独立行政法人 住宅金融支援機構」。公庫時代のような一般向けの直接融資はなくなり、民間金融機関と提携した長期固定金利型住宅ローンの「フラット35」を中心に提供する形になります。図1のような民間では難しい融資については扱うようですが、表舞台からは引き下がるといえそう。
 かつての公的融資は、公庫・年金・財形の3本柱でしたが、07年4月以降は財形住宅融資1本になります。
図1.住宅金融支援機構が引き続き行う融資
2.元郵便局の『ゆうちょ銀行』が住宅ローンに参入
 2007年10月、日本郵政公社は、ゆうちょ銀行(郵便貯金銀行)、かんぽ生命(簡易保険会社)、郵便事業会社、郵便局会社という4社に分割され、民営化の第1歩を踏み出します。この時点では、持ち株会社の日本郵政に政府出資が残っていますから、まだ完全な民営化ではありません。
 しかし、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の金融2社は、4年後の2011年度までに株式上場することになっています。それまでの比較的早い時期に、ゆうちょ銀行が住宅ローンに参入すると言われているのです。最初は地域の銀行と提携する形でローン販売を始め、対象も三大都市圏の直営五〇店舗での扱いに止めるとか。
 それでも、既存の民間金融機関にとっては驚異の的。どんな商品が出てくるのか、注目を集めることは間違いないでしょう。
図2.郵政民営化のスケジュール
3.外資系金融機関が地方銀行との提携を拡大
 住宅ローン業界にも、数年前からモーゲージ・バンクなどの新しいプレーヤーが増えて来ていますが、今年は外資系金融機関の進出が注目を集めそうです。
 外資といえば、もっとも早かったのはGEコンシューマー・ファイナンス。06年3月から地方銀行と業務提携をして、従来の銀行の審査基準からは外れがちな自営業者や派遣社員向けの住宅ローンの取り扱いを始めています。
 これに続いて外資系証券会社が立て続けに動き出しました。モルガンスタンレー証券は八十二銀行など八行と提携し07年1月から融資をスタート。メリルリンチ日本証券も、西日本シティ銀行と提携し3月にも住宅ローンの取り扱いを始め、数年で提携先を20〜30行へ増やす予定だと発表しています。これまで融資の受けにくかった自営業層などへ、裾野が広がりそうです。
図3.外資系金融機関が提携する地方銀行等
4.スーパーで手軽にローンを申し込む時代へ
 各銀行ともローンセンターの営業時間を延長したり、土日営業をしたりするなど、ユーザーの利便性を高める工夫を続けていますが、ここへ来て、ネットバンク系の新しい販売チャンネルが登場しています。
 そのキーになるが、イトーヨーカドーの中にあるセブン銀行の有人店舗「みんなの銀行窓口。」です。06年中頃から、千葉銀行、三井住友銀行、埼玉りそな銀行などと住宅ローンの代理店業務を開始。同年8月にはGEコンシューマー・ファイナンスと、10月にはSBIモーゲージと業務提携を結び、身近なショッピングセンターで住宅ローンの申し込みができるようにしたのです。12月にはソニー銀行も、口座開設申し込み取り次ぎ業務の提携を始めました。 図4.セブン銀行の「みんなの銀行窓口。」
 今年はこうした動きが、ますます拡大するのではないでしょうか。
5.フラット35の第2ステージが始動
 「フラット35」も今年は一つの転換点になりそうです。「証券化支援事業(保証型)第1号」が、この1月に初登場するからです。
 もともとフラット35は、公庫の証券化支援事業のサポートを受けて成立しているもの。この事業には「買取型」と「保証型」という2つの方式がありました(図5参照)。実は、これまでのフラット35は全て「買取型」によるものです。詳細は省きますが、「買取型」の場合、取り扱う金融機関によって金利や手数料は多少違っても、融資の中味はすべて横並び。
図5.証券化支援事業の種類
 これに対して「保証型」は、金融機関の創意工夫が活かせる仕組みと言われます。第1号となる千葉興業銀行の「フラット35プラス(住宅金融公庫保証型)」では、団体信用生命保険に医療特約を付けることを可能にしたり、適用金利を申し込み時(買取型のフラット35は融資実行時)に確定させることができるなど、これまでと違う特徴を出しています。
 今年は、各機関のさまざまなアレンジを加えたフラット35が登場することが期待されます。なお、従来は融資の上限が価格の8割まででしたが、07年4月2日以降に融資が実行されるものから、同9割にアップされることになりました。ますますフラット35の利用価値が高まるでしょう。
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