レッツ・キッズ! 子どもが多いと家計が楽になる?!
マイホームを買うのは、家族のため、子どものため、という人が多いでしょう。でも、子どもが増えると、教育費を始め、何かと要りようで家計も厳しくなりがち。そんなファミリーをバックアップしてくれる住宅ローンが増えてきました。子育て世帯に対して金利優遇や利子補給をしてくれるというもの。民間、公的それぞれの動きを紹介しましょう。
情報提供日/2007年11月7日
子どもの人数に応じて金利を優遇する“少子化対策タイプ”

 ファッションからお稽古ごとまで、少ない子どもにお金を惜しまない親向けに、キッズ・マーケットは花盛り。でも、親の財布のヒモを緩くするばかりでなく、「子育て支援」という言葉も、巷で増えてきたと思いませんか。行政や企業が、こぞってママ・パパ応援団になっているかのようです。

 なぜかと思って調べてみると、ありました。そう、2005年にできた「次世代育成支援対策推進法」という法律です。これから子どもを産む世代や子育て世帯にマイナスに働くさまざまなハードルをなくして、少子化に歯止めを掛けようというもの。そのための具体的な行動計画も各自治体で作られています。

図1.少子化対策タイプの子育て支援融資(民間金融機関)の例
・一定年齢以下の子どものいる家庭に、子どもの年齢や人数に応じて金利優遇
  子どもの年齢等 金利の優遇幅
福邦銀行 18歳以下の扶養家族が2人以上、かつ最年少の子どもが児童手当の支給対象(小学校修了前の児童) ・18歳以下の子どもの人数に応じて優遇。2人…0.1%、3人以上…0.2%
山口銀行 満18歳未満の子どもが3名以上 0.1%(固定金利特約期間)
金沢信用
金庫
22歳未満の未婚の子どもが3人以上 0.2%(固定金利特約期間)
かんら信用金庫 12歳以下の子どもがいる世帯 子ども1人・当初10年間0.1%、11年目以降も12歳以下の子どもがいれば全期間
北伊勢上野信用金庫 18歳未満の子どもが3人以上 全期間0.2%。融資期間途中からの適用も可
大田原信用金庫 満18歳以下の子どもがいる世帯 子ども1人・全期間0.1%(×3人まで)。融資期間途中からの適用も可
岐阜信用
金庫
借入時に満22歳以下の扶養家族 (子)がいる世帯 子ども1人・1.45%、子ども2人・1.5%。融資期間途中に子どもが増えると追加優遇

 こうした流れの一つにあるのが、子育て世帯に向けた住宅ローンの最近の動きではないでしょうか。たとえば、いま増えているのが、地方銀行や信用金庫などが実施している優遇制度。住宅ローンを申し込んだ人の家族に一定の年齢以下の子どもがいる場合に、金利を優遇してくれるというもの。

 年齢は18歳以下というケースが多いようですが、中には12歳以下と低い場合や、逆に22歳までと高めの設定になっているケースもあります。金利の優遇幅は1人当たり0.1%程度が多いようです。人数が増えると優遇幅が拡大するものと、一定のものがあります。なかには、子ども2人いると通常の店頭表示金利より1.5%も低い金利で借りられるケースも。
 優遇期間は、完済するまでの全期間のケースと、固定金利期間選択型で特約期間のみというケースがあります。

 全体傾向としては、購入する住宅の条件はなく、子どもの年齢と人数が条件になっていること、人口減少や高齢化が進む地方都市で採り入れられていることが多いことから、いわば“少子化対策タイプの子育て支援融資”といえるかもしれません。

地域の定住人口を増やすための自治体融資

 最近、一般的な住宅購入者に対する自治体融資は縮小傾向にありますが、耐震性を高める住み替えやリフォームを実施するケースは増えてきました。子育て世帯向けも少しずつ登場しています。なお、自治体融資は、直接融資はほとんどなくなり、利子補給か融資あっせんです。

図2.定住促進タイプ? 子育て支援の自治体融資の例
・行政区域内に住む子育てファミリーに利子補給や融資あっせん
  子どもの年齢等 補助 対象住宅の主な条件
大阪市 小学校6年生以下の子どもがいる世帯(年間所得1200万円以下) 3年間、0.5%の利子補給(借入金2000万円までが対象) 市内の民間分譲マンション、戸建て住宅、タウンハウス等で、床面積30m²以上
茨城県 中学3年生以下の子どもがいる世帯(年間所得600万円以下、給与所得のみの場合、収入金額800万円以下) 融資利率が1.5%超〜3.5%以下の部分について最大2%分を5年間、利子補給(借入金1000万円までが対象) 県の住宅供給公社の土地を購入して、その上に新築または購入した住宅。延べ床面積80m²以上175m²以下
埼玉県 中学生以下の子供を持つ世帯(出産予定も可) 店頭表示金利から1.0〜1.2%の金利優遇(全期間)する民間融資をあっせん 県内で新築または購入する住宅で、マンションは床面積75m²以上、一戸建ては98m²以上

 民間金融機関なら営業エリアの住宅が対象ですが、自治体では行政区分の管轄内で新築したり購入したりする住宅が条件となります。
 たとえば大阪市の場合は、市内で分譲されるマンションや一戸建て、マイホームの新築など民間住宅が対象。小学校6年生以下の子どもがいる世帯に、3年間0.5%の利子補給をします。
 茨城県の場合は、同県の住宅供給公社が分譲した土地に新築、または購入した住宅が対象。中学3年生以下の子どもがいる世帯に、最大2%を5年間に渡って利子補給します。

 埼玉県では、民間の金融機関に融資をあっせんし、中学生以下の子どもがいるファミリーが県内に住宅を購入すると、1.0〜1.2%の優遇金利を適用してくれます。しかも優遇は全期間。非常に利用するメリットは大きいでしょう。
 ただ、住宅の面積制限があるうえに、保育園や小中学校が近いなど、周辺環境の善し悪しも条件にあるため、ややハードルは高いかもしれません。

 いずれにしても、自治体がこうした補助を行うのは、定住人口を増やすのが目的といえそうです。

子育て環境を積極的に改善するママ・パパ応援融資

 子育て支援タイプの住宅ローンは、これまで紹介した少子化対策や定住人口増加を目的にしたものだけではありません。最近注目を集めているのが、民間企業と金融機関が提携して、子育て環境を改善するために採り入れた商品。子どもの年齢や人数が条件ではなく、住宅のデザインや性能、住環境まで踏み込んだ条件を設定しているのが特徴です。

 たとえば、りそな銀行は、積水ハウスの“キッズでざいん”のコンセプトと仕様を採り入れた住宅に対して最大1.4%の金利優遇サービスを始めました。“キッズでざいん”というのは、家族のつながりを重視した空間構成、子どもの成長に合わせてフレキシブルに間取り変更ができる可動間仕切りなどを採用したプランです。

 また、同行では近畿圏を地盤とする中堅デベロッパーの創建と提携し、同社が販売した住宅の購入者にも金利優遇サービスを行っています。ただし対象になるのは、ミキハウス子育て総研が作った「子育てに優しい住まいと環境」の基準に適合したと認定された住宅のみ。


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 この基準は、住戸内の間取りや設備仕様、共用施設や管理形態、周辺環境までカバーした体系的なもので、マンションは100項目、一戸建ては90項目に及びます(詳細については、本サイトの「気になるトレンド情報をチェック!」も参考にしてください)。
 それぞれ60項目をクリアすると認定され、1.2〜1.4%の金利優遇が受けられます。優遇幅は返済が終わるまで変わりません(5年固定の場合のみ、特約期間修了後に変更あり)。同行が扱うフラット35にも0.1%の金利優遇が適用されます。

 以上の2つは、特定のハウスメーカーやデベロッパーの住宅のみが対象ですが、販売会社を問わずに幅広く金利を優遇してくれるのが千葉銀行です。こちらもミキハウス子育て総研の「子育てに優しい住まいと環境」基準に認定されることが適用条件。店頭表示金利から全期間に渡って1.0%の金利優遇が受けられます。

 仮に、3.4%の5年固定型を2000万円、35年返済で借りた場合、1%の金利優遇を受けると毎月返済額が約1万1000円も軽くなります。年間では13万円強もトクになる計算です。総返済額では数百万円の差になるでしょう。
 子どもの安全に配慮され、子育てのストレスを軽減するように配慮された住まいに住みながら、家計も楽になる。これで、ますます子宝に恵まれるかも・・・。こんなママ・パパ応援融資がもっと増えてくれるといいですね。

図3.子育て環境改善タイプの民間金融機関の提携融資
・提携先の住宅を新築または購入したり、一定の基準に合うと金利を優遇
金融機関 提携先 対象となる住宅 金利の優遇幅
りそな銀行・埼玉りそな銀行 積水ハウス 同社の“キッズでざいん”のコンセプト・仕様を採用した住宅 店頭表示金利から1.2〜1.4%(全期間)
りそな銀行 創建・ミキハウス子育て総研 創建が販売し、ミキハウス子育て総研が「子育てに優しい住まいと環境」として認定した住宅 店頭表示金利から1.2〜1.4%(全期間)。フラット35は0.1%の優遇
千葉銀行 ミキハウス子育て総研 ミキハウス子育て総研が「子育てに優しい住まいと環境」として認定した住宅 店頭表示金利から1.0%(全期間)


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