--あなたの年齢や家族、ライフプランで違う--ベストな住宅ローンの借り方指南
第1回.シングル編その1/支出の変化が少ないメリットを活かす
一般的な資金計画のノウハウは、夫婦と子どもがいるファミリー層を前提にしているケースが多いようです。でも「自分は結婚していないから、当てはまらない・・」と感じたことはありませんか。そこで、第一弾として、シングル向けの考え方を紹介します。
情報提供日/2007年2月21日

 20代前半で、現在たまたまシングルの場合、いずれ結婚して複数家族に移行する可能性も高いでしょう。その場合はDINKS、ファミリーになった場合のケースを想定して動くことが大切。いずれ収入がアップすると安易に考え、将来、支出が増加する可能性を考えずにプランを組んでしまうと後が大変です。
 まず、自分のライフプランを見極め、今後の収入や家族構成の変化などを念頭に置いて考えておきましょう。

 一方、年齢にかかわらず、当面あるいはずっとシングルのままでいる可能性が高いとか、離婚してシングルに戻ってしばらく再婚を考えていない人もいるでしょう。今回はこのようにシングル状態が長く続くケースを中心に解説していきます。

家計が安定しやすいのがシングルの特徴
 シングルが資金計画を考える際におさえておきたいポイントは、子どものいるファミリーと違って支出の大きな変化が起きにくいこと、またお財布がひとつ(働き手が一人)ということです。
 この2つのポイントをベースにして、シングルの資金計画について考えていきましょう。

 まずひとつめは、支出の大きな変化が起きにくい、という点です。子どものいるファミリーでは、子どもの成長とともに教育費負担の重さが変わり、家計に余裕がある時期、ない時期がありますが、教育費負担のないシングルは、支出に大きな波は生じにくいといえます。言い換えれば家計が安定しやすいということですから、その点では資金計画が立てやすいのが強みです。 家族構成による支出の変化のイメージ

 ただし子どものいるシングルの場合は、教育費負担が重くなる時期にも無理なく返済できるプランを考える必要があります。教育費負担が小さい時期に集中的に繰り上げ返済するなど、家計の変化に合わせて資金計画を組むことがポイントになるでしょう。

 シングルに限らず、住宅ローンは定年までに完済するのが鉄則です。今後は定年が延長されていきますが、60歳以降は働いても収入が減るケースが多いため、60歳までに完済するのが安心です。
 60歳までに完済するには、「60歳−入居時の年齢」で返済期間を決めるのがベストですが、返済期間が短いと、長期で借りるより毎月の返済額が多くなってしまいます。余裕をもって毎月の返済額を抑えるか、それとも将来のために短期で借りるか。シングルの場合はどちらがいいのでしょうか。

スムーズに完済するための方法を考える
 35歳のシングルが、2500万円を金利3%で借り入れる場合で試算してみましょう。
 60歳で完済できるよう、25年返済にすると、毎月の返済額は約11万8600円。この返済額に問題がないという場合は、もちろん、それでOKです。「この期間は家計がラクになるはず」という特別な見込みはありませんから、同じ額をずっと返していくだけで60歳までに完済できるこのプランはシングル向きです。

 とはいえ、「この返済額では旅行も買い物も我慢しなきゃ」というようでは考えもの。せっかく家を手に入れても、楽しくないかもしれません。
 たとえば返済期間を長くすると、30年返済では毎月の返済額が約10万5400円、最長の35年返済では約9万6200円と、長くするほど、月々の返済はラクになります。

 ただし30年返済では60歳のときに約587万円、35年返済では約996万円もの残債(ローン元金)が残ってしまうため、60歳までに完済するには、先々の分を返済の途中で任意で返す、繰り上げ返済をする必要があります。

 30年返済で借りた場合は、借り入れから3年ごとに約100万円の繰り上げ返済を3回行なえば、56回分、返済を短縮でき、60歳のときに完済できます(35年返済ではその倍程度の繰り上げ返済が必要)。
 1年当たり30数万円を9年間、繰り上げ返済にあてる計算です。購入から9年の間に繰り上げ返済しなければいけないわけではありませんが、時期が遅くなるほど、短縮できる期間が短くなりますし、50代からは老後資金づくりに軸足を移す必要がありますから、早めに実行しておきたいところです。

図1.シングルのあなた、返済期間はどう決める?

 子どものいるシングルなら、毎月の返済額が多すぎると教育費負担が重い時期を乗り切るのが大変ですから、ある程度長めの返済期間で借り、家計がラクな時期に繰り上げ返済するプランが安心でしょう。

 そうでないシングルは家計に大きな変化が起きることは考えにくいので、収入アップが確実という人以外、「ラクになったら繰り上げ返済する」、という考え方は危険です。ファミリーでは、子どもが手を離れたら妻がパートや再就職などで再び収入を得る、というケースも多いのですが、シングルではそういうわけにはいきません。
 毎月の返済額を抑えた分、繰り上げ返済のための貯蓄ができるかを、しっかり考えてみましょう。
 繰り上げ返済のことを考えたくないという人は、「60歳−入居時の年齢」で借りたほうが、気がラクかもしれませんね。

 次回はシングルならではの金利タイプ選びについて考えてみましょう。

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