前回述べたように、シングルは働き手を増せないこと、また子どもがいなければ教育費がかからず、支出にも変化が少ないのが特徴です。もしものときに収入を増やすことが難しく、支出が著しく減ることがないならば、返済額は安定しているのが理想的といえます。
そうなると、候補になるのは、金利上昇の不安がない「長期固定型」。しかし長期固定型は、固定期間選択型などに比べて金利が高めで、安心感がある代わりに返済負担が重くなります。銀行では固定期間が10年以下の固定期間選択型を中心に大幅な金利優遇を行なっているため、とくに金利差は大きくなっているのが現状です。
たとえば2500万円を30年返済で借り入れる場合、ある銀行の例では、固定型では金利が3%を超え、毎月の返済額は10万7570円となります。
同じ銀行で10年固定を利用すると、毎月の返済額は9万6841円。毎月1万円以上も軽減できます。
ただし10年固定では10年後に金利が見直されますし、前述の例は当初の固定金利選択期間に大きく金利が優遇されるタイプのローンで、その後の11年目以降は優遇幅が縮小されます。店頭金利が上がらなくても、優遇幅が縮小される分、適用金利が上がることになるのです。
先の例で試算すると、店頭金利が今と変わらなければ、毎月の返済額は10万8420円、店頭金利が0.5%上がれば11万3265円、1%上がれば11万8231円になるなど、固定型を借りた場合より多くなります。それでも、元金が多い時期に低い金利が適用されるメリットは大きく、店頭金利が変わらなければ、総返済額は固定型を借りる場合より少なく済みます。
とはいえ、金利の上昇によって返済額が増えるのは、シングルにとって不都合かも知れませんね。


シングルには返済額が安定していることがベスト。そこで、こんな方法はいかがでしょうか。「固定型を借りたつもりで、10年固定を借りる」という考え方です。
10年固定で借りた場合は固定型で借りるより毎月の返済額が抑えられますから、その差額をなかったものとして積み立てていきます。10年間積み立てると、元本だけで約129万円。これを10年後に繰り上げ返済するのです。
すると、元本が減る分、11年以降の返済額が軽減され、店頭金利がそのままなら10万886円、0.5%アップなら10万5395円と、いずれも固定型を借りた場合の返済額より少なく済みます。当初10年間よりは返済額が増えますが、差額分を積み立てに回していたのですから、暮らしは変わらないですよね。もちろん、総返済額もかなり抑えられます。
店頭金利が1%アップすると、返済額は11万円を超え、総返済額も固定型より多くなってしまいますが、固定型を借りたつもりで10年固定を利用し、軽減された分を確実に積み立てていけば、ある程度の金利上昇までは、返済額のアップにも耐えやすく、そのうえ、総返済額も抑えられる、というわけです。
ちなみに固定期間が短い固定期間選択型では、低い金利が確実に適用される期間が短いため、リスクが大きくなります。
金融機関によっては、長期固定型と10年固定など、複数の金利タイプを併用できるケースもありますので、リスクを抑えたい人には検討の価値があります。
金利上昇不安を抱えるのは嫌だという方は、長期固定型が選択肢になりますが、フラット35は取扱金融機関によって金利が異なりますし、銀行でも長期固定型を扱う例が増えているので、有利なものを選びましょう。銀行の長期固定型は返済期間によって金利が異なる例も多く、返済期間が短いほど、低い金利が設定されています。
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