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| 情報提供日/2007年9月26日 | ||
老後の住まいにはさまざまな選択肢がありますが、やはり気になるのは資金について。60歳から85歳までにどの程度の住居費負担が生じるのか、いくつかのパターンについて、ファイナンシャルプランナーの紀平正幸さんによる試算をみていきましょう。
[1]定年後も自宅に住み続ける場合
まずは定年後も自宅に住み続ける場合です。
住居費としては、自宅の改修・バリアフリー化などを行なう費用として500万円、また固定資産税などの税金や細かな補修費用、庭木の手入れ費用などとして年間40万円程度を想定します。
61歳から85歳までの25年間で、住まいにかかる費用の合計は1500万円となります。建物が古くなる分、ある程度のメンテナンス費用は見込んでおく必要がありそうです。

[2]定年後に自宅を売却し、新しく別の住宅を購入する場合
自宅が郊外で駅から遠く、利便性に難がある一戸建てである場合などでは、セキュリティ面でも安心な駅に近いマンションに住み替えたいという方も少なくありません。子どもが独立すれば、部屋数も少なくていいですし、そのほうが家事も楽です。
図2は自宅を3000万円で売却し、同じく3000万円のマンションに買い換えるという想定で試算したものです。2000万円を自己資金で、残り1000万円を住宅ローンで賄うと仮定します。
住宅ローンの返済が月額10万円、固定資産税や管理費などが年間30万円と想定すると、自己資金を含めた25年間の住居費は3950万円。しかし自宅の売却代金が2900万円(3000万円から売却費用を除いた額)ありますから、実質的な負担は1050万円です。
もちろん、売却代金と購入価格のバランスにもよりますし、自宅にローンが残っていれば、その分、自己資金に充てられる額は少なくなり、負担は大きくなります。その場合は賃貸住宅に住み替えることを検討してもよさそう。体力的に大きな一戸建てに住むのが辛いといった場合は、持ち家にこだわるより、実質的な暮らしやすさを優先させるという考え方もあるでしょう。

[3]自宅を貸して自身は賃貸住宅に住む
コンパクトな家に住み替えたいものの、自宅を売るのは抵抗がある、という場合は、自宅を貸して、自身は賃貸住宅に住む、という方法もあります。
賃料収入を当初10年間は月額15万円、以後の15年間は10万円と想定すると、25年間で3600万円。ただしリフォーム代を1000万円、固定資産税や管理費などを年間40万円と見込むと、維持経費は2000万円にのぼります。
支払う家賃を月額10万円とすると、25年間で3000万円。実質的な負担は1400万円となります。
賃貸住宅を借りるのであれば、自宅に戻る、出身地に戻る、施設に入居するなど、フレキシブルな住み替えができるというメリットもあります。

試算では、自宅に住み続けるより自宅を売却、または貸すなどして住み替えを行なうほうが、住居費の負担は軽くなっています。売れば売却代金、貸せば賃料収入が得られ、それらを自身の住居費に充てることができるためです。
ただし、売却する場合では「いくらで売れるか、ローンはどの程度残っているか、いくらの家を買うか」、貸す場合には「どの程度の家賃収入が見込めるか」などによって負担の大きさは大きく変わってきます。スムーズに売ったり、貸したりできるか、という課題もあるでしょう。
とはいえ、自宅に住み続けるのが必ずしも負担を抑える最良の選択ではない、ということは念頭におきたいもの。選択肢を広げて考えてはいかがでしょうか。
次回は実際にどんな行動が必要かを考えていきます。
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