
「ちょ、貯金が全部、頭金に変わっちゃったんだよなぁ・・・今さら一部屋いらないからお金返してなんていえないし・・・」
佐藤さんが購入したのは神奈川県内の3800万円の新築マンション。
「できるだけ頭金を多くすることでローンの返済額を少なくしました」という佐藤さん。ところが購入の2年後、長男が私立大学を目指すと言い出し、佐藤さんは大慌て。なにしろ、マイホーム購入で貯金を使い果たしていましたから。まさか、購入のわずか2年後に、頭金を多くしたことを後悔することになろうとは!


マンションを買おうと決めたとき、佐藤さんは45歳。60歳の定年退職までにローンを完済しようとすると、返済期間は最長で15年です。たくさん借りて短期間で返済すると、毎月の返済額が多くなってしまいます。
そこで佐藤さんは貯金からできるだけ多く頭金にまわして、ローンの借入額を抑えることに。
「結婚以来、社宅で住宅費がかからない分をコツコツ貯金していたので、2300万円貯まっていたんです。全部使うのは怖かったので、その中から2000万円を頭金にしました」
結局、佐藤さんの返済計画は下のようになりました。

「貯金の残りの300万円は、引っ越し代や家具代、諸費用で使い果たしました。でも、毎月返済額が10万円台なら家計も余裕だったし、貯金はまた始めればいいや、なんて軽く考えていたんですよね」
佐藤さんがあわてたのは、2年後です。
「国立大学志望だったはずの息子が、家から遠い某私立大学に行きたいと言い出して…しかも、理系で授業料が高いんですよ。でも、ダメだなんて言えないでしょ?」
国立大学なら約80万円の初年度納入金が、長男の志望校では約160万円。ひとり暮らしの用意や今後の仕送りを含めると出費はさらにふくらみます。この2年で貯まった貯金は200万円で、必要な金額には届かないため、佐藤さんは金利6.5%の教育ローンを借りることを検討しています。
「住宅ローンと教育ローンの返済が重なると、毎月の給料から貯金をするのも難しくなりそう。次男の学費もあるので、妻も働きに出ようかと言い出しています。子どもたちには、進みたい道に進んでもらいたいですから夫婦でがんばりますが、貯金をもう少し残しておけばよかったですね」
教育ローンよりも、住宅ローンのほうが低金利。どうせ借りるなら住宅ローンを多めにして、学費は現金で払えるようにしておけばよかったと、佐藤さんは後悔しています。
・ローン返済中も貯金ができる家計のゆとりを確保すべし
教育ローンは無担保で融資されるため、金利が高めに設定されています。しかし、条件をクリアしていれば優遇金利が受けられる場合も。
佐藤さんの場合、融資の申し込みはこれからですから、住宅ローンを借りている銀行など複数の金融機関に相談して、少しでも条件の良いローンを選択するといいでしょう。また、成績次第で授業料が減額・免除になる大学も。奨学金を利用する手もあります。
では、頭金をいくらにするか、貯金はいくら残しておくかは、どうやって決めればいいのでしょう。
多くの住宅ローンが費用の80〜90%を融資限度額にしているので、頭金は物件価格の10〜20%以上を目安に考えましょう。頭金が多いほど借入額は少なくできますが、貯金全額を頭金にすると後で困ります。頭金分以外の「諸費用」や「引っ越し代」「家具購入費」に物件価格の25〜30%程度は確保しましょう。
そして、もうひとつ大切なのが、将来必要になりそうなお金や、万が一の時のお金を残しておくこと。これを忘れたのが佐藤さんの失敗の原因でした。車の買い換えや子どもの進学など、予想される出費がある時は、その分を残しておきましょう。

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