
「繰り上げ返済の効果は大きいですよね! 500万円もトクするんだから。あれ? だけど、肝腎なことを忘れてる気が・・・」3000万円の住宅ローンを返済中の小森さん。返済スタートから2年、妻の退職金と貯金から1500万円を使って返済期間を短くする“繰り上げ返済”をしました。「返済期間が10年8カ月も短くなり、利息の支払いがぐんと減りました。それは良かったのですが、住宅ローン控除が受けられなくなったんですよ」と小森さん。住宅ローン控除で所得税が戻ってくる分を、教育資金の一部にあてようと計画していたため、家計の見直しが必要になってしまったのです。


40歳のとき住宅ローンを借りた小森さんは、定年退職までに完済しようと返済期間は20年に設定。
「返済期間が短いほど、利息が少なくなるので、繰り上げ返済をしてできるだけ早く完済することが当初からの目標でした」
返済スタートの2年後、妻が仕事を辞めることになったので、妻の退職金と貯金を合わせた1500万円を繰り上げ返済にあてることにしました。
「短縮できた期間は10年8カ月。60歳で終わるはずだったローン返済が、50歳になる前に完済できることになりました。利息も500万円くらい減らせることになりそう。でも、ひとつだけ誤算があったんです」と小森さん。

繰り上げ返済をした2003年から、住宅ローン控除の適用外になり、所得税が戻ってこなくなってしまったのです
住宅ローン控除は、年末のローン残高に応じて所得税から控除され、所得税が戻ってくる減税制度。08年入居の場合は、控除期間が10年または15年の選択制ですが、小森さんが入居した01年8月は、「10年間、年末ローン残高の1%が所得税から控除される」という制度でした。

「わが家の場合、所得税は年間20万円くらいでしたから、前年に給与から天引きされた所得税が全額戻ってきていました。それが、繰り上げ返済をしてからは戻ってこなくなったんです」と、小森さんはがっかり。

原因は返済期間。10年8カ月短縮されたことで、通算の返済期間が9年4カ月になり、住宅ローン控除の適用条件である「返済期間10年以上」を満たさなくなったからです。
戻ってこなくなった所得税の合計よりも、繰り上げ返済でトクをした利息のほうが金額は多いため、小森さんは決して損をしたわけではありません。
「それはわかってるんですけど、でも、毎年約20万円というまとまった金額は、子育てにお金のかかる今のわが家には大切な収入だったんです」
・繰り上げ返済は、実行後の家計を考えて期間短縮型か返済額軽減型かを決めるべし
共働きではなくなる小森さんの場合、繰り上げ返済を期間短縮型ではなく返済額を減らすタイプで実行しておけば、返済額を7万円台に抑えたうえで、10年間の住宅ローン控除も受けることができました。
利息の軽減は約350万円で、期間短縮よりもおトク度は下がりますが、その後の家計を考えれば毎月の返済額を減らすほうが安心だったでしょう。
小森さんの住宅ローン返済が終わるのは2010年11月。翌年に長女の高校入学が控えています。入学資金の準備はローン完済後から。住宅ローンの返済額分と12月のボーナスをそのまま学費にまわせば、どうにか足りそうです。
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