
「今どき、頭金は1割もあれば大丈夫でしょ。銀行は総額の90%から100%の融資をしてくれるところが多いから。あれ? でも、土地が定期借地権だと違うの? それじゃ困るんだけど・・・」
そろそろ家を建てようと土地探しとハウスメーカー探しを同時進行していた河口さん。住宅ローンは勤務先が提携しているA銀行から借りるつもりでした。
「A銀行だと金利が優遇されるし、費用全額を借りられるんです。だから頭金なしで買っている同僚もいます。私は貯金300万円から頭金を用意して少しでも返済額を減らし、無理のない資金計画を組む予定でした」
お金のことについては少しも心配していなかった河口さんが、住宅ローンで失敗と感じているなんて、いったい何があったのでしょうか。「気に入った土地が定期借地権付きだったんですよ」と河口さん。その顛末をご紹介しましょう。


念願の一戸建てを建てることにした河口さん。ある日、散歩中に偶然みつけた空地にひと目ボレ。すぐに不動産仲介会社を訪ねました。
「定期借地権付きの土地で、自分のものにはなりませんし毎月の賃料はかかるけど、購入するよりローンの借り入れが少なくてすむ!」
と考え、河口さんはそこに家を建てることに決めたのです。


その後、工務店からの見積もりも出て、建築費用2000万円、土地を借りるときの保証金600万円で費用は2600万円かかることが決まりました。
「頭金は1割の260万円。勤務先が提携しているA銀行から費用の9割の2340万円を借りて、優遇金利で返済すると毎月返済額は7万6022円になります。これくらいならかなり余裕で返していけると思ったんです」
と河口さん。しかし、住宅ローンの申し込みをしようとA銀行へ行ってびっくり。
「A銀行では、定期借地権付き住宅には7割までしか融資が受けられず、1820万円が上限と言われてしまいました。手もとにある貯金は300万円なので、全額を頭金にまわしても480万円も足りないんです」
もう少し多く借りられる銀行はないか調べてみたところ、土地に対して担保が設定できない定期借地権付き住宅は、ローンを扱う金融機関が限られていることを知ったのだそうです。
「定期借地権付き住宅でも費用の全額を借りられる銀行はありました。でも、残念ながら家を建てる場所はその銀行の営業エリアではなかったんです」

結局、河口さんは「フラット35」を利用することに。
「費用の90%まで借りられる点は助かりました。ただ、最初に借りる予定だった銀行のローンに比べて金利が高い・・・。そのため毎月返済額は9万6710円で、予定よりも月2万円も多くなってしまいました」
と河口さんはがっかりしています。
| ・ | 定期借地権付き住宅は、住宅ローンの選択肢が少なくなることを覚悟するべし |
| ・ | 毎月のローン返済の他に、土地の賃料がかかることを覚えておくべし |
河口さんは今後、ローン返済の9万6710円と土地の賃料(月額地代)2万円の合計11万6710円を支払っていくことになります。年収800万円の河口さんにとっては返済負担はそれほど大きくありません。とはいえ、少ない選択肢の中からあまり検討せずにローンを借りてしまった河口さんはなんとなく不完全燃焼だとか。
定期借地権付き住宅の購入を考えているなら、どこの銀行でどんなローンを扱っているかを早めに調べておくといいでしょう。
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