失敗に学べ! 住宅ローンの落とし穴 その12
親子リレー返済で親の家を建て替え。同居するつもりが転勤に…・・・
単独では難しくても、親子で協力して家を建て、ローン返済も親から子へと引き継げれば可能性が広がりますね。
でも、将来のライフスタイルが予定と違ってしまった場合、ローンが思わぬ重荷にな ることも・・・。
情報提供日/2008年12月24日
Shippai File.12
親「息子よ! 後は頼んだゾ〜」。息子「任せといて! って、いいたいとこだけど、おっとっと・・・こ、こんなはずじゃぁ〜」

 井上さんは一人暮らしの会社員。賃貸マンションで気楽な生活を続けていましたが、ある時、父親から実家の建て替えの相談が。「父親の年齢では長期返済のローンが組めないので、将来的に僕が返済を引き継ぐ『親子リレー返済』にしたいとのことでした。僕も、将来結婚したら両親と同居しようと考えていたし、同居するなら新しい家がいい。現役の間は父が返済してくれるというので話に乗ったのです」。しかし、人生は計画通りには進まないもの。結局、井上さんは住めない家のローンを支払い続けることに。

今井さん(仮名)のプロフィール
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親子リレー返済で返済期間を35年にして、実家を建て替え

 井上さんの実家は築45年。老朽化が激しいため、井上さんの父親が建て替えを計画したのが今から3年前のことでした。
「当時、父は61歳。借りようとしていたフラット35は80歳までに完済という規定があり、父の年齢では返済期間は18年が最長です。3000万円を3%の金利で借りると返済額は毎月約18万円で父の収入で返済していくのは無理でした。そこで、父から『同居できる家にするから親子リレー返済にしないか』と提案があったんです」
 と井上さん。

 息子である井上さんがローンの後継者になり、将来、返済を引き継ぐ親子リレー返済を利用すれば、35年間の最長返済期間が設定でき(図1)、返済額を毎月約11万5000円に抑えることができます。

「この返済額なら父も僕も返済に無理はありません。いずれ同居するつもりでしたし、父が働いている間は父が返済をしてくれるというので、僕にとってもいい話でした。父が定年退職する頃には僕の年収も増えて、楽に返済していけると踏んだんですよ」

 その後、順調に家は建ち、井上さんと両親の同居生活がスタートしました。ところが、それからわずか3年後、井上さんの会社が倒産してしまったのです。

転職先は全国転勤のある会社。せっかくの家で暮らせないことに

「幸いなことに、転職先はみつかりました。ただ、新しい勤務先は全国規模での転勤があるんです。入社してすぐに実家からは通えない地方都市への転勤が決まってしまいました」と井上さん。

 来年からは定年退職をして年収の減る父親に代わって、住宅ローン返済を始めなければなりません。
 いつ戻れるかわからない実家、戻れた頃には古くなっているかもしれない実家のために、井上さんはローン返済を続けなければならないことに。

「親孝行と思って返済はがんばるつもりですが、転勤先での家賃もあるし、年収も以前より減ってしまったので、今後のやりくりが心配です」

今月の教訓
親子リレー返済は、同居しなくても後継者が返済義務が残ることを覚悟すべし
後継者である子どもの転勤や転職、離婚などで生活設計が変わることも考えて、慎重な資金計画を立てるべし

 ローンを申込む人の年齢が高くても、長期返済を設定できる親子リレー返済ですが、後継者になった子どもの状況が変わったり、子どもの配偶者を後継者にして後日離婚したりした場合でも、後継者には連帯債務者としての返済義務が残ります。将来のライフプランをよく考えて利用するようにしましょう。

 井上さんの場合、父親が退職金の一部を使って繰り上げ返済をして元金を減らしてくれたため、毎月の返済が予定よりもラクになりました。

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※12回にわたってご紹介してきた『失敗に学べ!住宅ローンの落とし穴 』シリーズは今回で最終回です。
2009年は新シリーズをお届けします。ご期待ください。

(イラスト:パイナップル遠藤)

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