マイホームの税金・基礎編。買うとき何がかかる? その1
マイホームを買ったり、売ったりするときには、さまざまな税金が関わってきます。今回から、各種の税金について整理してご紹介しましょう。基礎編として、買ったとき、売ったとき、持っているときの税金の種類と、それぞれのケースで利用できる特例の内容などを。そして応用編として、見落としがちな注意点や、親子や夫婦の共有名義など特定の条件が加わるケースについて解説します。今回は、買うときの税金、その1です。
【十文字良二】十文字会計鑑定事務所、税理士・不動産鑑定士
情報提供日/2008年3月26日
契約時に印紙税、登記時に登録免許税、入居後に不動産取得税
図1.マイホームを買ったときの税金は、いつ何を払う?

 マイホームを買うとき、もっとも気になるのは頭金やローンなど金額の大きな支出でしょう。でも、購入手続きを進めるなかで、数万円から数十万円単位で発生してくる各種の手数料や税金などを、意外に見過ごしていませんか。
 購入金額に比べて小さいためか、不動産会社の担当者から言われるままに支払ったあとに「そういえば、これって何のお金だったの?」と、よく把握していない人もいるようです。

 しかし、いつ何をいくら支払うのかを把握していないと、思わぬところで資金ショートを起こすおそれもあります。諸費用のなかでも税金は大きな位置を占めますから、その種類や金額を把握しておきたいものです。

 購入するときの手続きの流れに沿って、支払う税金をまとめたのが図1です。最初は売買契約のときの印紙税。次いで、登記手続きを行うときに支払う登録免許税。そして、入居後に支払う不動産取得税の3つが関係してきます。

 売り主が不動産会社の場合は、建物に対して消費税もかかりますが、購入価格に含まれる形で支払いますから、ここでは除外して考えます。

特例の有無で、税額がガラリと変わる

 各税金の内容を簡単に説明しましょう。
 まず印紙税は、売買契約書に記載された金額に応じて、決められた額の収入印紙を貼って押印することで支払います。作成された契約書ごとに計算しますが、通常は2通作って売り主と買い主それぞれが保管するので、双方が1通分ずつ負担する形になります。

図2.印紙税(一部抜粋)

 税額は図2の通り。たとえば、3000万円の新築マンションを買った場合、印紙税は1万5000円です。また、売買契約と残金決済の間に、住宅ローンを借りるにあたって「金銭消費貸借契約」を結びます。通称、ローン契約といわれますが、この契約書にも印紙税が必要です。3000万円の8割、2400万円のローンを組んだとしたら、印紙税は2万円。売買契約書と合わせると3万5000円となります。

 次は、登録免許税。残金決済と引き替えに物件の引き渡しを受けると、所有権の登記手続きに入ります。登記の種類に応じて、図3のような税率が決められており、課税標準となる不動産の価額や借り入れ金額に税率を掛け合わせたのが税額です。
 ここでいう「不動産の価額」とは、売買契約書に記載された購入価格ではなく、固定資産税評価額が使われます。

図3.不動産にかかわる登録免許税

 土地の固定資産税評価額が1000万円、建物が同じく1000万円の新築マンションAを購入したとします。土地は所有権移転登記で、税率は1%ですから[1000万円×1%=10万円]。建物は所有権保存登記で、税率は0.4%ですから[1000万円×0.4%=4万円]。
 登録免許税には、一定の条件に合うマイホームの場合に、建物に対する税率が低くなる特例があります。上記の例では、0.4%が0.15%になり、税額は1万5000円と半分以下。条件等については次回に紹介します。

 なお登記手続きは、通常、司法書士に代行してもらいますから、登録免許税と司法書士に対する報酬や交通費などの実費と合わせて概算の金額を渡して、あとで精算するのが一般的です。

図4.不動産取得税

 最後に、入居してホっとした頃に支払い時期が訪れるのが不動産取得税です。本来は申告納税で、登記が済んでから1〜2カ月以内に都道府県税事務所に申告して納税します。ただし、自治体によっては申告期限を定めず、納税通知書を送付してくれるところも珍しくありません。
 税率は土地、建物ともに3%。登録免許税と同様に固定資産税評価額に税率を掛けて計算します。ただし、09年3月31日までに取得した土地については、評価額の2分の1が課税標準です。

 前述の新築マンションAの場合の不動産取得税は、土地が15万円、建物が30万円です。不動産取得税にもマイホームの特例があり、適用条件に合うと、いずれも税額は0円(条件等は次回に解説)となります。

固定資産税等の一部を諸費用として払う
十文字先生

 購入する際には、実は、この他に固定資産税と都市計画税も支払うことになります。どちらも1月1日時点の所有者に支払い義務がある税金(詳しい内容は「持っているときの税金編」で解説)。
 ところが、不動産を購入すると年の途中で所有者が変わることになりますから、元の所有者=売り主が払う分の税額を、購入時期に応じて売り主と買い主で按分するわけです。

 仮に、4月1日に所有権が移転する場合、1〜3月分が売り主の負担、4〜12月分が買い主の負担。税額が12万円だったら、売り主が3万円、買い主が9万円となり、買い主は売り主に対して引き渡しの時点で9万円を諸費用の一種として支払うことになります。

 また、ローンを借りた場合は、所得税の税額控除を受けられる「住宅ローン控除」、親から購入資金の援助を受けた場合は、贈与税が軽減されたり無税になったりする「相続時精算課税制度」があります。これらの内容については次回をご覧ください。



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