巻頭インタビュー 第2回

 

住宅ローンは自分で選ぶ時代Part2

 
紀平正幸(きひら まさゆき)氏
[プロフィール]
URL:http://kihira.com/
ファイナンシャル・プランナー(CFP)。心理カウンセラー。日本FP協会常務理事。FPジャーナル編集長。東京FPコンサルティング代表。個人のライフプランの作成と診断を始め、暮らしにかかわる幅広い分野について、テレビのコメンテーターや、公的機関、金融機関、企業、大学、一般生活者などを対象とした講演、執筆、個別相談を行うかたわら、大学付属病院の精神科病棟で心理カウンセリングのボランティア活動を行う。
 
 住宅ローンをめぐる状況が変化し、公庫中心の資金計画一辺倒ではなく、自分に合ったローンを選ぶ時代となっています。
 どんなローンが自分に合っているのか、どんな基準で選択すべきか知ることが大切です。いかに安全かつ有利に住宅を購入できるかは、「借り方と返し方次第」です。
 まず心しておきたいのは、事業をするようなつもりで借りるべき、ということ。資金を借り入れる際、事業者は綿密に事業計画を立て、返済プランを作成します。
   

  住宅ローンも1000万円単位で借りるのですから、それくらいの慎重さで臨むべき。延滞、破綻が増えていますが、借りる以上、誰のせいにもできません。増税、年金保険料の引き上げなどにより、手取り収入が減少する可能性が高まっていることを踏まえ、より慎重に、より計画的に借入計画を立てることが重要です。
 収入が減る、という前提で考えると、住宅ローンの負担を抑え、教育費や老後資金と住居費とのバランスをとる、という視点を持つことも大切です。

 
 住宅ローンには大きく分けて固定タイプと変動タイプがあります。現在のような超低金利時の現在は、固定タイプの魅力が大きいといえます。
 とはいえ、変動型、短期の固定金利選択型には長期固定型より当初の金利が低いものもあり、変動タイプのローンを選択する人も増えてきました。金利が低い時期には長期固定型、金利が高い時期には変動型、というのがこれまでの常識でした。
 しかし、より金利の低いものを利用することで負担を抑え、

    その分、返済のペースを早めて有利性を追求する、という考え方があってもいいのです。
 投資においてはリスクを負うことによって高い収益が得られる可能性がありますが、住宅ローンにおいても金利上昇リスクを負うことによって資金計画を有利にできる、ということ。
 もちろん、あくまでも安全にこだわって固定タイプを選ぶ、という選択肢もあります。要は長所、短所を理解したうえで、ローンを選択することが重要なのです。
 
 もちろん、変動タイプには金利上昇のリスクがつきものです。
 過去には7%台という時代もありましたが、現在は金融機関が海外を含めた金融市場から自由に資金調達ができるため、金利上昇幅は以前より抑えられると予測しています。大幅な金利上昇は延滞などの事故を招き、金融機関にとっても大きなリスクですから、貸し手としても低金利を提供する努力は惜しまないでしょう。
 だからといって金利上昇に備えが必要なことは言うまでもありません。残債(借入元本の残額)が大きいほど、残存期間(完済までの残りの期間)が長いほど、金利上昇による影響は大きくなります。
     金利が上昇した場合に返済額がどの程度増えるかを把握し、余裕を持って借入額を決定すること。またリスクを認識し、残債を減らす計画を持つことが大切です。
 たとえば現在のように金利が十分に低い水準にある時期なら、半分を長期固定タイプで借り、あとの半分を変動タイプで借りる、という考え方も。これならリスクを抑えながら、有利性を追求することができます。
 さらに金利、コストなどをじっくり比較したうえで利用するローンを選ぶことも大切。インターネットなどを上手に利用しましょう。次回は返し方についてとりあげます。
       
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